さくらももこさんのエッセイ集、第3弾の「たいのおかしら」を正月休みを利用して、読んでみました。
連休中の電車移動中の読書として最適な本でした。
第3弾のエッセイ集もめちゃ面白い!
笑気ガスって!?
「歯医者に行く」の話。
奥歯の詰め物が取れたのだが、歯医者に行くのが嫌で、放置していたところ、次第に痛くなり、笑気ガスを使う歯医者を探していったとのこと。
笑気ガスって聞いたことがなかったのですが、鼻から吸い込むだけで恐怖心が取り除かれるらしい。麻酔とは違うものっぽい。
歯医者にそんなんあるんや。普通は大人は使わないらしいけど。
笑気ガスを吸うと、アラビアか何かの王様王様になった気がするって表現が凄い。
我に返り始めた私の口の中に、麻酔の注射がキュウッと刺された。
”やられたっ”アラビアの国王暗殺である。
電車の中でにやけてしまったwww
グッピーの惨劇
タイトルが「グッピーの惨劇」。思いっきり惹かれるタイトル!
グッピーという陽気な名前の魚がいる。
グッピーとハッピーをかけているのだろうか?初っ端から笑わかさせてくれますwww
姉が「生物部でグッピーの大安売りをしていた。一匹十円だったから五匹買ってきた」と言いながら、ビニール袋に入れて来たのが事の始まりであった。一匹十円の大安売りなら三十匹くらい買ってくればよいものを、どこかケチなところがある女なのだ。
ケチな女ってwwwお姉さんとは仲が悪いのか、良いのか・・・。
この後、家族内でグッピー人気が高まるのですが、2年も経つと家族内からも関心が低くなり・・・惨劇へ。
なんかどこの家族でもありそうな。グッピーは可愛そうですけど。
この惨劇には「野球狂の詩」のレコードからラジカセにダビングする行為が関係してくるのですが、録音中は静かに・・・ってのが懐かしい。
自分もテレビから流れる歌謡曲をラジカセで録音していたの思い出しました。ダビングしたテープには家族の声が入っているんですよねえwww
若い人に、わかるかなぁ~、わかんねぇだろうなぁ~・・・。(松鶴家千とせ風www)
小杉のばばあ
近所から恐れられている鬼婆の話が「小杉のばばぁ」の話。
鬼の面の方がまだ優しそうな顔をしている。瓦せんべいに何かの手違いで目鼻がついたような顔である。
何かの手違いで目鼻がついたような顔ってのが笑った。
小杉のばばあの庭の花を摘んでしまったばっかりに小杉のばばあに傘でおいかけられたとか、子どもが小杉のばばあを挑発したら逆に血祭りに上げられたとか、火事になった小杉のばばあの家に駆けつけた消防隊やヤジウマに向かって「よくも火を消したなっ」と怒鳴りながら暴れていたとか、めちゃ凄いエピソード!
そういや昔は、こんな近所で名物の恐ろしい爺さんや婆さんがどこにでも居たような。気がする。うちの近所にも怖い爺さんがいた記憶がある。
ももこさんが小学二年生の頃、不覚にも、この小杉のばばあの庭の花を摘んでしまい見つかったそうなんですが、その時は意外に優しく、花の枝を1本くれたそうな。
思うに、小杉のばあさんは、身内を失ったとか、そんな哀しいことがあったんではなかろうか。
時代的に、第二次世界大戦で、夫や子どもを失った可能性はある。
その後、小杉のばばぁはは、花も小屋(小杉のばばあの家)も木も、全部置いたままいなくなってしまったそうです。はやり身内の居ない天涯孤独のおばあさんだったんでしょう。
何か哀しい話でした。
父ヒロシ
ちびまるこちゃんでも独特の雰囲気を持つ、父親のヒロシの話。
子供の頃から呑気者で、別に何のとりえもなく、他人から憎まれもせず誉められもせず、また他人を特に憎みもせず絶賛もせず、ただただ酒と魚を食べて生きている男である。
めっちゃ羨ましい男である。
平和で幸せな家族の姿が目に浮かびます。
ももこさんは父親のことを笑いにしてますが、好きだったことがよく伝わります。
まとめ
「たいのおかしら」も笑わせてもらいました。それにしてもエッセイの独特の表現力、描写力は改めて凄いと思いました。真似しようとしてもできません
ちなみに、「もものかんづめ」から続くエッセイ集は、この第3弾の「たいのおかしら」でいったん終了だそうです。
ももこさんは、その後もエッセイは書かれているんですかね?あったら、もっと読んでみたい。
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