池井戸潤の「民王 シベリアの陰謀」を読みました。
今まで読んだ池井戸作品はほぼ期待以上の面白さだったので、この「民王 シベリアの陰謀」も期待度マックスだったのですが、期待外れで少し残念な内容でした。
「民王 シベリアの陰謀」はどんな話?
「民王」は「みんおう」ではなく「たみおう」と読みます。
「民王 シベリアの陰謀」は続きもので、第一作目は「民王」。「民王 シベリアの陰謀」は2作目。
舞台は日本。政治の話。前作では総理大臣と総理大臣の息子の意識が入れ替わるというとんでもない設定でしたが、今回はそんなことは起きず、COVID‑19(コロナ)を題材とした新型ウィルスがテーマ。
「下町ロケット」とか「半沢直樹」池井戸作品とはちょっと違った作風のコミカルな内容が特徴。
あらすじは
謎のウイルスをぶっ飛ばせ!!
「マドンナ・ウイルス? なんじゃそりゃ」第二次内閣を発足させたばかりの武藤泰山を絶体絶命のピンチが襲う。目玉として指名したマドンナこと高西麗子・環境大臣が、発症すると凶暴化する謎のウイルスに冒され、急速に感染が拡がっているのだ。緊急事態宣言を発令し、終息を図る泰山に、世論の逆風が吹き荒れる。一方、泰山のバカ息子・翔は、仕事で訪れた大学の研究室で「狼男化」した教授に襲われる。マドンナと教授には共通点が……!? 泰山は、翔と秘書の貝原らとともに、ウイルスの謎に迫る!!
「民王 シベリアの陰謀」 池井戸 潤[文芸書](電子版) – KADOKAWA
ウィルスの設定がぶっとんでいます。ぶっ飛びすぎでリアリティに欠ける・・・。
結局最後まで盛り上がることがなかった
池井戸潤作品の面白さは、なんといっても人間vs人間の頭脳の対決。巨大な権力を持った悪役に対して弱い立場の主人公が立ち向かい最後は主人公が勝利するというところが読みどころ。
この「民王 シベリアの陰謀」では池井戸潤作品の特徴が欠けていた気がします。おそらく悪役がキャラクターとして弱かったためでしょう。
前作の「民王」は確か面白くなるまでに数ページかかりました。今回も読み進めるうちにいつもの池井戸作品なみに面白くなるかと思っていましたが、残念ながら「民王 シベリアの陰謀」は最後まで盛り上がることはありませんでした。
この手のジャンルは、池井戸さんは苦手だったのかもしれません。ウィルスの設定もリアリティに欠けていましたし。
とはいえ、池井戸作品の期待値が高かっただけで、つまらん!というわけではないのであしからず。
まとめ
「民王 シベリアの陰謀」をいつもの池井戸作品として読むとがっかりするかもしれません。普通の小説として読めば普通に面白い作品。
「民王」はドラマ化されていましたが、「民王 シベリアの陰謀」もドラマ化されるのでしょうか。
演出によっては面白くなる可能性もあるので、期待しています。
【池井戸潤】
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