ちびまるこちゃんの作者、さくらももこさんの本「もものかんづめ」の存在は知っていたのですが、まったく興味はありませんでした。
アニメの「ちびまるこちゃん」は昔は子どもと一緒によく視てましたけど。
「もものかんづめ」に興味はなかったのですが、先日、さくらももこさんが亡くなったのがきっかけで、興味がわき、読んでみることに。
読んでみたら面白い!さくらももこさんの才能に、改めて感心しました。
これがエッセイというものか
生まれて初めて「エッセイ」というものを意識して読んだのですが、これぞエッセイというものなんでしょうか?
水虫の話や健康ランドの話、アルバイトしてた頃の話を、飽きさせず、何ページにも渡って書けるって凄いですね。しかも面白いし、オチもしっかり。
それがプロの作家というものなんでしょうけど。
水虫にお茶っ葉が効く?という不思議な話
初っ端の話は、さくらももこさん高校生の頃に水虫に蝕まれた話。
色々試して1年半以上も治らなかった水虫が、お茶っ葉で1週間で完治したという・・・。
嘘のようなホントの話。お姉さんもももこさんの水虫が移ったそうなんですが、病院通いしても治らなかった水虫が、このお茶っ葉治療で治ったそうな。
やり方は・・・
- 患部を軽石で洗い皮を薄くする
- お茶っ葉に熱いお湯をかける
- ふやけたお茶っ葉ところをストッキングに入れ、患部を覆って寝る
これで1週間で水虫が治ったそうです。
お茶のカテキンが効いたのでしょうか?
水虫って昔は病院に行っても水虫は治りにくかったんですね。いい薬がなかったんでしょうか?
今はいい薬があるので、病院で軟膏をもらえば、お茶っ葉治療をせずとも治ると思います。
まるこの爺さんはろくでもないジジィ
ちびまるこちゃんに出てくるまるこの爺さんは、優しいイメージなのですが、実際に存在したももこさんの実の爺さんはろくでもないジジィだったらしいです。
「メルヘン爺」で書かれてました。
ズルくてイジワルで怠け者で、嫁いびりをし、母親も姉もももこさんも散々な目にあったそうな。
「メルヘン爺」はその爺さんが亡くなった話なのですが、笑える話になってました。よっぽど嫌いだったんですね。
漫画やアニメの爺さんのイメージとはまったくの真逆で、漫画とはそんなもんかぁと思った次第。
週刊誌のオナラ
「週刊誌のオナラ」というタイトルのエッセイ。週刊誌のオナラとは何ぞやと思いつつ読み始めたのですが、内容は、ももこさんの結婚後の話で、「たま」のメンバーの知久寿焼との色恋沙汰のでっちあげの記事についての話でした。
面白おかしく書かれているものの、かなり怒り心頭であることがヒシヒシと伝わってきました。
その中で書かれていたの秀逸の「週刊誌のオナラ」という表現。
あやふやな根拠からムリヤリ創られる記事はオナラに似ている。実態が無いのに臭いのだ。
屁をした方はスッキリするかもしれないが、屁を向けられた方はどれほど迷惑を被るか事か、一度自分の尻の穴と鼻の穴にホースを直結させてガスを一気に吸い込んで頂きたい。
なるほどね。すっごい皮肉の表現方法。週刊誌の金儲けだけのためのでっちあげ記事をこんな風に表現するとは。この感性は流石です。
底なし銭湯はどこの銭湯?
「底なし銭湯」というタイトルのエッセイで出てきた、底がないという銭湯。
薬湯風呂だそうで、湯船のヘリにしがみついて足を伸ばしても底には着かなかったという・・・。
結局のところその謎は解明されなかったので凄く気になりました。銭湯の名前さえわかれば調べることができたのですが。
この「底なし銭湯」は気になりすぎて、しばらく頭から離れないでしょう・・・
もものかんづめのまとめ
期待以上に面白かったです、「もものかんづめ」。漫画以外にも、こんな才能があったとは。本当に亡くなったのは残念に思います。
そういや落語の才能もあったらしい。就職先の宴会で落語風にあることないこと喋り捲ってかなりウケたそうで。さくらももこさんの落語や漫談も聞いてみたかったなぁ。
エッセイ集は他にも「さるのこしかけ」「たいのおかしら」ってのがあるんですね。
この2作品も読んでみます。
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