池井戸潤の古い作品「架空通貨」を読んでみました。
「架空通貨」は「M1」というタイトルで2000年3月に刊行された作品。2000年にビットコインをテーマにした作品を書いているとは、時代を先取りした小説やな!と思い手に取った次第。
仮想通貨ではなく架空通貨でした
読み始めてアレ!?と思ってよくよく考えたら、小説のタイトルは架空通貨であり、仮想通貨ではありませんでした。
ビットコインは仮想通貨。
読んでみると「架空通貨」とは、会社が発行する振興券でした。振興券とは商品券のような感じ。
架空通貨のあらすじ
「架空通貨」のあらすじです。
主人公は一流の総合商社を辞めた高校教師の辛島。
女子生徒の黒沢麻紀が、倒産しそうな実家の会社(黒沢金属)のことを、辛島武史に相談に来たことからストーリーが始まります。
そして黒沢麻紀が消息不明に。黒沢金属の倒産を回避するために、社債を期前償還を頼みに取引先の田神亜鉛へ行ったのではと、辛島も岐阜の田神亜鉛へ。
田神亜鉛の地で辛島武史は、田神亜鉛の企業城下町が異様な状態であることに気付きます。
そこから話が更に展開していきます。
下請けが断れない理不尽さ
元請けから強引に社債受けてくれと言われると、やっぱり下請けは断れないんですかね。一般的な話なのだろうか。理不尽やなぁ。
法的にどうなんだろうか?法律整備出来ていても、やっぱり断りにくいか・・・。
下請けも売り上げが1社に偏ってしまうと断れなくなってしまう。バランスが大事だと思った次第。
コロナ禍で、こんな中小企業が多いのかもしれない。
結局ラストはすっきりしない終わり方だった。
まとめ
ラストはすっきりしなかったものの、やっぱり池井戸潤の作品。読み出すと止まらなかった。
専門用語が飛び交ってやや難しい面もありましたが、専門用語知らなくても問題なし。面白いです。
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